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2004年 08月 20日
あるところに男がいた。その男はとても貧しく、持ち物は少しばかりの畑を
耕すくたびれたクワとボロだけであった。 だがその貧しさと同じくらい正直で、相手が例え意地悪な地主であっても いつも正直に申告をしているものだから作物のほとんどを税に持って行かれていた。 あるところに男がいた。その男は土地を沢山持つ大地主で 自分の持つ土地がどこまで続いているのかわからぬほどであった。 その男はとても悋嗇で麦の1粒でも落ちているとその土地の使用人を呼んで どなり散らすのであった。 ある時、事件が起こった。地主の倉庫で泥棒があり作物が盗まれたというのだ。 土地の領主がやってきて、怪しいと思われる者を集めるよう命じた。 みなの証言を聞き、容疑者が2人に絞り込まれた。 正直な男と強欲な地主であった。 この事件、実は地主が領主に納める税が惜しくて隠していたのだが 地主はだまって知らぬふりをしている。 周りに聞いても、どちらかはわからず領主は判じかねてこういった。 「正直なのはどっちだ。」 2人とも同時に自分であると言った。 それを聞くと領主は「犯人がわかった。このみすぼらしい男だ。」 といい、正直だが貧しい男を指さした。 男は猛反発をして、自分は潔白である旨を訴えた。 だが領主は首を横に振り 「『正直ものは報われる。』というではないか。お前の風体を見るに とても『報われて』いるようにはみえない。よってお前は不正直、うそつきである。」 言い終わると同時に”不正直”な男には縄がかけられ 領主の部下につれていかれてしまった。 ”正直な男”は、しめしめと思い倉庫へ帰ってごまかした作物の量を再び数えるのであった。 あぁ、作文って難しい。
by tanukkki
| 2004-08-20 00:38
| no味噌の中
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